知っておきたい、介護の今。
続編:介護保険の基本とケアマネの選び方

ヘルス&ケア

前回は「介護の今」をお伝えしました。
今回は、実際に介護が必要になったときの 制度の基本と相談窓口 についてまとめます。

1. 介護保険って何?

介護保険は、高齢者が自分らしく暮らせるように支えるための制度です。

代表的なサービス例

  • 訪問介護(自宅に訪問し、家事などを手伝ってくれる)
  • デイサービス(施設に通って日中数時間を過ごす)
  • 福祉用具レンタル(歩行器やベッドなど)
  • ショートステイ(数日~数週間程度施設に入所)

ポイント:
「どのサービスを使えるか」は、本人の状態や希望によって決まります。


2. 介護サービスを受けるには「要介護認定」が必要

介護保険を使うには、まず 市区町村に申請して認定を受ける 必要があります。

  • 自宅での生活がどれくらい難しいか調査
  • 医師の意見書や本人・家族への聞き取り
  • その結果に基づき「要支援」「要介護1~5」に分類

認定されると、介護サービスを組み合わせて利用できるようになります。


3. ケアマネジャーって誰?

介護サービスの窓口となるのが ケアマネジャー(介護支援専門員) です。

ケアマネジャーの役割

  • 生活の状況を聞いて、必要なサービスを整理
  • ケアプラン(介護計画)を作成
  • サービス事業者との調整
  • 家族への相談やアドバイス

「何から始めたらいいか分からない」とき、最初に頼る存在です。


4. ケアマネの選び方

ケアマネジャーは誰でも同じではありません。
ポイントは以下です。

  1. 話しやすさ・相談しやすさ
    • 親身になって聞いてくれるか
  2. 地域のサービスに詳しいか
    • 自宅周辺のデイサービスや訪問介護をよく知っている
  3. 本人や家族の希望を尊重してくれるか
    • 「こうしたい」という希望を聞いてくれるか
  4. 情報提供の丁寧さ
    • 制度や費用のことをわかりやすく教えてくれるか

5. 介護する人の支援はある?

「レスパイト」と呼ばれる支援制度があります。
レスパイト(Respite)とは、
介護をしている家族や介護者が、一時的に休息(休み)をとるための支援のことです。

簡単に言うと

介護が必要な方を短期間、施設やサービスに預けることで、介護者の心身の負担を軽くし、リフレッシュするための仕組みです。

主な例

  • ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)
  • デイサービスを利用して日中の介護負担を軽減
  • 家族の病気・冠婚葬祭・休養時の一時的な利用

目的

  • 介護者の疲労やストレスの軽減
  • 介護の継続を支える
  • 介護離職や共倒れを防ぐ

レスパイトについては、地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談するとよいでしょう。


6. まずは早めに相談するのが安心

介護は「急に必要になること」が多く、
準備が遅れると家族も本人も大変です。

  • 気になる症状が出たら、まず地域包括支援センターに相談
  • ケアマネジャーと面談して、自宅で受けられるサービスを確認
  • 介護保険の申請を検討

早めの相談が、安心した生活の第一歩です。


おわりに

介護保険やケアマネジャーの存在を知っているだけで、いざというときの不安が大きく減ります。

まずは「どんなサービスがあるのか」を知り、次に「誰に相談すればよいか」を整理すること。
それが、介護の第一歩です。

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