知っておきたい、介護の今。
続編:介護保険の基本とケアマネの選び方
ヘルス&ケア
前回は「介護の今」をお伝えしました。
今回は、実際に介護が必要になったときの 制度の基本と相談窓口 についてまとめます。
1. 介護保険って何?
介護保険は、高齢者が自分らしく暮らせるように支えるための制度です。
- 65歳以上の方は原則として加入
- 介護が必要になったとき、さまざまなサービスを利用できる
- 自宅での生活支援から、施設での介護まで幅広い

参考:厚生労働省ホームページ「介護保険制度の概要」
代表的なサービス例
- 訪問介護(自宅に訪問し、家事などを手伝ってくれる)
- デイサービス(施設に通って日中数時間を過ごす)
- 福祉用具レンタル(歩行器やベッドなど)
- ショートステイ(数日~数週間程度施設に入所)
ポイント:
「どのサービスを使えるか」は、本人の状態や希望によって決まります。
2. 介護サービスを受けるには「要介護認定」が必要
介護保険を使うには、まず 市区町村に申請して認定を受ける 必要があります。
- 自宅での生活がどれくらい難しいか調査
- 医師の意見書や本人・家族への聞き取り
- その結果に基づき「要支援」「要介護1~5」に分類
認定されると、介護サービスを組み合わせて利用できるようになります。
3. ケアマネジャーって誰?
介護サービスの窓口となるのが ケアマネジャー(介護支援専門員) です。
ケアマネジャーの役割
- 生活の状況を聞いて、必要なサービスを整理
- ケアプラン(介護計画)を作成
- サービス事業者との調整
- 家族への相談やアドバイス
「何から始めたらいいか分からない」とき、最初に頼る存在です。
4. ケアマネの選び方
ケアマネジャーは誰でも同じではありません。
ポイントは以下です。
- 話しやすさ・相談しやすさ
- 親身になって聞いてくれるか
- 地域のサービスに詳しいか
- 自宅周辺のデイサービスや訪問介護をよく知っている
- 本人や家族の希望を尊重してくれるか
- 「こうしたい」という希望を聞いてくれるか
- 情報提供の丁寧さ
- 制度や費用のことをわかりやすく教えてくれるか
5. 介護する人の支援はある?
「レスパイト」と呼ばれる支援制度があります。
レスパイト(Respite)とは、
介護をしている家族や介護者が、一時的に休息(休み)をとるための支援のことです。
簡単に言うと
介護が必要な方を短期間、施設やサービスに預けることで、介護者の心身の負担を軽くし、リフレッシュするための仕組みです。
主な例
- ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)
- デイサービスを利用して日中の介護負担を軽減
- 家族の病気・冠婚葬祭・休養時の一時的な利用
目的
- 介護者の疲労やストレスの軽減
- 介護の継続を支える
- 介護離職や共倒れを防ぐ
レスパイトについては、地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談するとよいでしょう。
6. まずは早めに相談するのが安心
介護は「急に必要になること」が多く、
準備が遅れると家族も本人も大変です。
- 気になる症状が出たら、まず地域包括支援センターに相談
- ケアマネジャーと面談して、自宅で受けられるサービスを確認
- 介護保険の申請を検討
早めの相談が、安心した生活の第一歩です。
おわりに
介護保険やケアマネジャーの存在を知っているだけで、いざというときの不安が大きく減ります。
まずは「どんなサービスがあるのか」を知り、次に「誰に相談すればよいか」を整理すること。
それが、介護の第一歩です。

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