当時のデザインの仕事は、
看板のデザインや文字のトレース、
名刺やカードの制作など、小さなお仕事が中心でした。
仕事をするのは、
子どもたちがお昼寝している間や、
夜、しっかり寝てくれてから。
それがだんだんエスカレートして、
夜中の3時に起きて仕事をすることもありました。
その代わり、子どもたちがお昼寝したら私も一緒に寝る。
今思えば、
生活リズムなんてあったものではありません(笑)。

そんな私に仕事をくださっていたのが、
独身の頃からお付き合いのあった看板屋の社長さんでした。
社長さんご自身、なかなかお子さんを授からなかった時期があり、
子どもへの愛情がとても深い方でした。
双子が生まれた時も、
自分のことのように喜んでくださったのを覚えています。
そして、独身の頃に私が仕事をしていた姿も知っていたからこそ、
子育ての大変さや、家にいることの孤独も理解してくださっていました。
「子育てしながらでも、少しずつできるように」と、
納期に余裕のある仕事を選んで回してくださったんです。
その気遣いが、本当にありがたかったですね。
それでも、一つの仕事を仕上げるのには時間がかかりました。
特に難しかったのが、
最後の「これで良し!」を自分で決めること。
「もっと良くできるかも」
「こっちの方がいいかな」
もっと、もっと、と考えて、
今ならすぐできるような仕事にも、
ずいぶん時間をかけていました。
でも、そうやって一つずつ仕事を重ねるうちに、
社長さんから別の方を紹介していただき、
少しずつ仕事のご縁も広がっていきました。
子どもがいたから、
思うようにできなかったこともたくさんあります。
でも、子どもがいたからこそ、
出会えた優しさや、ご縁もありました。
振り返ってみると、
私が仕事を続けてこられたのは、
決して私一人の力ではなかったんだと思います。